生ゴミが肥料になることを知ってますか?
人間が食べるのに調理で余ったのだから、野菜クズなどが肥料になることは予想が付きます。
生ゴミでなくても、人間が排泄した糞尿を、かつては肥料とされ一般に売買されていました。
排泄された糞尿で育てられた野菜等を頂くことは、食物連鎖の観点からすれば極々自然なことなのです。
都会にいると気付きませんが、動物がした糞尿で木々が育ち、育った木々が落葉して土が肥える。
肥えた土の中で微生物が育ち、それを虫がエサとする。その虫を鳥が食べ、その鳥を人間が頂くのです。
人間が排泄した糞尿を肥料として勧めるかと聞かれれば、私は勧めません。
ご近所さんに、糞尿を肥料として野菜を育てている方がいたとします。
その方が、「うちで採れた野菜を食べて、美味しいのよ」と言って持ってきたら、貴方はどうします?対応に困りますよね。
糞尿は人間の体にあったもので、元は口から食べたもの。糞尿は肥料になると頭では分かっていても、心が付いて来ません。
せっかく育てても食べないでは勿体ない。捨てるのは悪いと思い、頂いた糞尿で育てられた野菜を腐らせて肥料にしたとしても、結果は同じで無駄にしてしまうでしょう。
調理で出た野菜クズなどが肥料になるといっても、野菜クズの状態のままでは肥料になりません。
肥料にするには、野菜クズ等を土に入れて分解する必要があります。
分解する過程で発酵が起き、独特な匂いが発生します。この匂いが原因で、近隣から苦情が寄せられることは珍しくありません。
匂いをさせないよう、土を深く掘って、そこに野菜クズ等を入れれば良いじゃないかと思いがちですが、発酵が進むには空気が必要なため、土が深過ぎると空気が届かず発酵が進みません。
土の中に野菜クズ等を入れて、それで終わりではなく、空気を入れてあげるために土を掘り返す必要があります。
この工程を面倒臭いと思うなら、糞尿を肥料にしましょう。
糞尿は、土で行う発酵を人間の体内で行った結果だからです。糞尿に匂いがするように、野菜クズだって発酵すると独特な匂いがする。
ただし、土にはその匂い(ガス)を分解する働きがあり、適度な深さの土の中であれば、気になるレベルの匂いは発生しません。
人間に草食系や肉食系があるように、家庭から出る生ゴミにだって草食系や肉食系があります。
野菜や果物から出るのが草食系の生ゴミ、肉や魚から出るのが肉食系の生ゴミ。人間から排泄される糞尿は、草食系と肉食系がブレンドされたもの。
ホームセンター等で買って来る肥料は、野菜や植物が育つのに必要な栄養が配合されています。
生ゴミを肥料にする楽しみは、生ゴミの種類によって栄養が異なる肥料が出来ること。
草食系の生ゴミで作った肥料、肉食系の生ゴミで作った肥料、これらをブレンドして作った肥料。
注意をしなくてはならないのは、人間に食べ物の好みがあるように、育てる野菜や植物にも好みの肥料があります。
発酵等が不十分だと、匂いに引き寄せられ害虫がやって来て、せっかく育てた野菜を食い荒らされてしまうことがあります。
やって来るのは害虫とは限らず、カラスやネコなどの動物がやって来る場合もあります。これら動物が来ないようにするには、発酵を進める土の掘り返しをキチンと行う。
人間が手を掛ければ、カラスなどは人間を警戒して寄って来ません。生ゴミで肥料を作るには、プランターより露地が最適。
なぜなら、露地だと土の中に既にいる微生物が、発酵をサポートしてくれるからです。